耐震およびリノベーションでイメージ刷新
西長堀住宅耐震改修
大阪市西区北堀江の一画に建つ、かつて著名人も暮らした「西長堀アパート」は1958年に都市住宅の理想を追求し、公団住宅としては当時日本一の高層として建てられた集合住宅で、ずっと「マンモスアパート」の愛称で親しまれてきた。再生のコンセプトは「温故知新」。先人の知恵や感性を生かし、最先端の住宅にかけた想いやディテールへのこだわり、さまざまな知恵と工夫を時代を超えて再生する。特徴的なファサードは、光が注ぐ明るい共用廊下や階数表示のデザインなどは、当時の意匠を継続している。かつてエントランスホールを飾っていた前衛画家、吉原治良氏の壁画は長い間隠されていたが、再び、改修したエントランスホールの顔として再生した。
耐震改修は、柱の増打・鉄板巻・カーボン巻、梁・壁・床の増打、壁・ブレースの設置等の工法により実施。やむを得部分撤去する内外装は、素材の再利用や類似素材によるタッチアップを実施、外装の空洞ブロックは代替品が入手不可能なため、ペントハウスへの鉄骨ブレース搬入の際、ブロック壁の撤去を回避し、分割したブレース・パーツのモックアップによる検討を経て階段から搬入した。
共用廊下の照明のLED化、バルコニーの手すりをアルミ素材へ取り替えなど、現在のライフスタイルや社会環境に応じて、機能や設備を時代に合わせてアップデートを実施した。
発注者 | 独立行政法人 都市再生機構 西日本支社 |
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工事場所 | 大阪市西区 |
竣工年月 | 2016年2月 |
設計事務所 | 株式会社URサポート |
構造・規模 | 鉄筋コンクリート造/地下1階、地上11階/延16,287.00㎡ |
改修概要
耐震工事とリノベーションによりイメージ刷新
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