自然素材を用いて、サステナブルなリニューアルを実現

GOOD CYCLE BUILDING 001 淺沼組名古屋支店改修プロジェクト

淺沼組が推進する「人間にも地球にも良い循環を生む」環境配慮型リニューアルブランド『ReQuality』のフラッグシップとして、築30年の淺沼組名古屋支店を改修したプロジェクト。既存躯体を活用し、新たに加える素材は可能な限り土や木などの自然素材とした。淺沼組が手がける愛知県内の作業所から出た建設発生土を利用し、土を塗る工程にユーザーである淺沼組の社員が関わることで、愛着を持って建物を使い続けられ、メンテナンスも行えるようにした。また、建物の内外装や建具、家具に用いた木は、淺沼組と古くから縁があり、持続可能な森林管理をしている奈良県吉野郡の木材を採用。資源を余すことなく使い切るため、木材の端材は家具やプロダクトに活用した。また、既存建物で使用された石材を内装材として再利用し、その他は細かく砕いて家具の材料に転用したり、廃プラスチックを原料とした家具やカーテンを制作するなど、通常ゴミとなってしまう材料を資源として活用する試みを行なった。

当プロジェクトでは、既存躯体の活用と自然素材の利用により、一般的な仕上げ材料で建て直す場合と比べ、CO2排出量を約85%削減。およびエネルギー消費量を国が定めた基準値の50%以下とすることでZEB readyを取得した。さらに、オフィスのウェルネス化によりWELL認証GOLDを取得している。

発注者 淺沼組
工事場所 愛知県名古屋市
竣工年月 2021年9月
設計事務所 川島範久建築設計事務所+淺沼組一級建築事務所
構造・規模 鉄骨造/地下1階 地上8階/延床2779.64㎡
受賞 GOOD DESIGN賞ベスト100/DEZEEN AWARD short list選出/Sky Design Award Silver/第21回環境・設備デザイン賞最優秀賞

改修概要

環境配慮型リニューアル事業「ReQuality」のフラッグシップとして、築30年の淺沼組名古屋支店改修プロジェクト。既存躯体を活用をしながら、新たに加える素材はできるだけ自然素材を用い、いずれ「土に還る建築」を目指した。

  • ZEB
  • WELL
  • 脱炭素化
  • 環境配慮コンクリート
  • アップサイクル建材
  • 地震モニタリングシステム
  • 床振動抑制技術
  • 環境シミュレーション
  • 還土ブロック
  • 健康科学

ファサードには吉野杉を未乾燥の状態で取り外し可能な状態で取り付けた。乾燥後、家具など別の用途として使用できるように意図した。

1階エントランスホールは既存の壁や2階床スラブを取り払い、吹き抜けとした。奥の増築した階段室より自然光を取り入れている。

2階ラウンジフロアには木材の端材や建設残土を用いて製作した家具などが並ぶ。

ガラス張りであったファサードを一新し、窓面を2.5m セットバックしてベランダ空間を創出。約130種類もの植物を混植し、季節の変化を楽しめる。

執務室には吉野杉をふんだんに使用し、自然の光、風や緑を感じながら働く環境をつくりだしている。

7階会議室。天井を開口部に向けて上げることで外光を取り入れている。廃プラスチックを用いて製作した会議室テーブルを使用する。

8階イベントホール。階段状のステージに上部にはトップライトを設け、自然光を取り込んでいる。

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