『大地とつながる空間づくり』をテーマに、建設発生土を活用した建材やアップサイクルプロダクトを展示・JAPAN SHOP2024出展

淺沼組は、2024年3月12日〜15日まで東京ビッグサイトにて開催された、第53回店舗総合見本市「JAPAN SHOP2024」(日本経済新聞社主催)に出展いたしました。

今回のブースは『循環する「土」と、大地とつながる空間づくりー土という、再生可能マテリアルを探る』をテーマに、建設発生土を活用し、自然素材のみでつくられた建材やアップサイクルプロダクトを展示し、淺沼組独自の環境配慮型技術を紹介しました。

CONCEPT

循環する「土」と、大地とつながる空間づくり
ー土という、再生可能マテリアルを探る


近代の都市空間から、排除された土。かつて日本では、身近な自然の素材である土や木を使って生活空間をつくり上げ、地域によって気候風土が違うなかで、その土地の自然素材の色やかたちが、街や村の景観をつくり出してきました。

近年、建築資材としての土が見直されています。
土と水に人の手が加わることで、土の可能性は無限に広がります。
さらに、土に人工物を混ぜない方法を取ることで、その建築が不要になったときには、
エネルギーゼロで、いずれ土に還すことができます。
素材をどのように扱うかで、人間にも地球にも良い循環を生み出すことができる。

数千年の歴史のなかで、世界中の人々が扱ってきた土の価値を現代に取り戻し、
大地と人が再びつながる、自然循環と共にある空間づくりを目指します。

伝統知×技術の融合で、
循環型の新しい土壁工法を開発する

『還土ブロック』
淺沼組技術研究所で開発した還土ブロックは、日本古来の伝統技法である版築工法を用いて、土を突き固めてつくりました。
2021年に竣工した淺沼組名古屋支店改修プロジェクトでは、オフィスの界壁として設置しました。愛知県の工事現場の発生土をアップサイクルして建材として利活用し、供用後はそのまま粉砕して土に還すことができるので、資源循環性が高く、環境にかける負担も少なくなります。

『還土ブロック』自然素材のみでつくられ、いずれ土に還すことができる

左の写真は、淺沼組技術研究所近くで採集した「大阪枚方産」の土に弁柄(ベンガラ)を混ぜ、赤く染色した還土ブロック。弁柄は土から取れる成分(酸化鉄)で、防虫・防腐の機能性から家屋のベンガラ塗りとしても使用されてきました。また、右の写真は、土に自然素材である石灰でできた、白や青のチョークを混ぜて調色したもの。土に、身近なものを掛け合わせることで、豊かな色彩をつくり出すことができます。

還土ブロックの材料を展示。建設発生土を技術研究所に持ち込み、成分を分析し、ふるいわけした後の土。淺沼組名古屋支店改修PJでは、地元愛知の土として瀬戸や南知多産の土を使い、中に荒縄を入れることで強度を出しています。

淺沼組名古屋支店応接室に設置

淺沼組が担当する施工現場から出た建設発生土を地産地消の土として展示。日本各地にはそれぞれの色があり、その土地の美しさがあります。成分の分析から適当な調合さえすれば、どこの土地の土でも使うことが可能です。

『立体木摺土壁』
淺沼組技術研究所が新しく開発した立体木摺土壁は、畑の土や藁スサ、おがくずなどの自然素材を活用しながら、土と木を積層した壁です。古来より世界中で用いられてきた日干し煉瓦工法を応用して、内装材として開発しました。土壁を自立可能な構造として安定化・軽量化し、短時間での施工が可能です。また、自然材料に水を混ぜて人力で積み上げるため、製造・施工時におけるCO2排出量が低く、土や木のなかにCO2を貯留する機能を持ちます。

『立体木摺土壁』水性顔料を使って、ブルーに着色
墨を使い、濃淡を表現
土本来の色

2024年にオープンした豊洲千客万来内の青果仲卸「芋松」では、店舗の内装材として野菜を育てる土を利用し、立体木摺土壁を製作しました。

『おがくずパネル』通常廃棄されてしまう「おがくず」を再利用して、廃プラスチックと組み合わせて固めたパネルを製作

今回のブースの展示物は、淺沼組技術研究所で開発し、製作しました。「土という地球上にどこでも存在する材料を使ったものづくりの原点と、現代の技術を掛け合わせ、新しい建材や工法を開発できないだろうか?」材料の可能性を追求し、自然素材と人の手による新しい価値を創造することで人間にも地球にも良い循環を生む、豊かな社会をつくりあげることに貢献していきたいと思います。

開催概要
会期:2024年3月12日(火)~15日(金)
会場:東京ビッグサイト(東京国際展示場)東展示棟(東京都江東区有明3-10-1)
主催:日本経済新聞社 会場レポートはこちら

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